近年、酒粕の優れた効能に注目が集まり、話題になっているのをご存知ですか?

知らなかったという方は、損をしているかもしれません。

この機会にぜひ酒粕の優れた効能を知って、あなたやご家族の健康維持に役立ててくださいね。

酒粕とは

日本酒が作られる過程で生まれるもので、もろみを圧搾した後に残る白色の固形物のことをいいます。

  • 蒸したお米と米麹、水を発酵させたものがもろみ
    (日本酒になる前の発酵中の状態をいいます。)
  • もろみを圧搾した際に出る液体が日本酒
  • そのあとに残った白色の固形物が酒粕(さけかす)

酒粕の歴史

酒粕と私達の生活との関わりは古く、日本で酒造りが始まったと同時に、すでに酒粕の利用もされ始めていたのではと考えられています。

平安時代には、汁粕と塩を使い、茄子などの野菜や魚の味を引き出して長期保存させる粕漬として使用されてきました。

江戸時代には、酒粕カスという呼び名で呼ばれるようになりました。

また、手で握ることができることから、手握り酒(たにぎりざけ)という呼び、庶民の間ではありがたくいただいていたそうです。

酒粕にも、10%近くのアルコールが残っていて、食べてみるとお酒を飲んだときと同じように気持ちよくなることから、そんな呼び名で親しまれていたようです。

この時代、お料理屋などでは酒骨料理という言葉も出てきます。

これは酒と魚などの骨を使った料理のことではありません。

酒の骨となる部分とは、もろみを圧搾して残る固形物つまり、酒粕を使った料理のことを言ったのです。

酒粕は江戸時代の人たちにも大変好んで食べられていたそうです。

酒粕の嬉しい効能

日本酒という旨味部分を取り除いてしまった残りかすの酒粕なのですが、実は栄養成分が大変豊富に含まれていることがわかっています。

特に今注目されているのは、酒粕にしかない独自の健康成分です。

これらが、私達に嬉しい効能をもたらしてくれるのです。

では、どのような効能があるのか見ていきましょう。

糖尿病予防・改善

現代病として患者数が増え続けている糖尿病

糖尿病はすい臓の働きが低下して、インスリンが十分作られなくなることによって起こる病気です。

私達の体の中では日々代謝のバランスを整えるために様々な種類のホルモンが働いていますが、血糖値を下げる働きのあるインスリンもホルモンの一つです。

  • 反対に血糖値を上げる作用のあるホルモン
  • インスリンの働きを抑える作用のあるホルモン

などもあります。

健康な人間の体内では、このホルモンバランスが整っているのですが、どちらか一方の分泌が過剰になってしまうと急激に太ってしまったり、やせてしまうといった症状が現れます。

酒粕には、「インスリンと似た働きをする効果が期待できるとする研究結果」が報告されていて、糖尿病予防改善効果的に働いてくれるのではと考えられています。

ガンの抑制

私たちの体の中には、ガン細胞正常な細胞を見分けて、ガン細胞だけを殺すリンパ球があります。

その代表がNK(ナチュラルキラー)細胞とよばれるものです。

NK(ナチュラルキラー)細胞には、

  • 体内に異物や悪いものが入り込んでいないかパトロールをする役目
  • ガン細胞を消滅させる

といった効果があるとされています。

酒粕には、 この「NK細胞の活性促進物質が含まれている」ことが分かっています。

αーハイドロオキシ酸

清酒酒粕の中には、ガンを予防する物質「αーハイドロオキシ酸」も含まれていることが分かりました。

実際に日本酒を飲む人の方が飲まない人より、大腸、胃ガンにかかる危険性が少ないとの報告もされています。

これらのことから、「酒粕がガン抑制に役立つのではないか?」との期待が高まっています。

トキソホルモンL妨害するグルコサミン

ガン闘病中の患者さんにも酒粕は良い働きをしてくれるのではないかと期待されています。

ガン細胞から出るトキソホルモンLという物質は、体内の脂肪を溜めている脂肪細胞に作用して、脂肪を分解し体重減少を招いたり、脳の満腹中枢を刺激して、常に満腹感を覚えさせ食欲を低下させる作用があるとされています。

酒粕には「Lトキソホルモンの働きを妨害するグルコサミンなどの物質が含まれている」ことがわかってきました。

この事から、酒粕がガン患者の急激な体重減少を防ぐと共に、食欲の増進効果からガン患者の闘病体力の維持に役立つのではないかと期待されているのです。

アルツハイマー予防

高齢化が進む現代では、社会問題となっているアルツハイマー型認知症

物忘れや、記憶の混乱や消失、夜間の徘徊などと言った家族の負担も掛かってきます。

記憶の保持に関与しているのがバソプレッシンというホルモン。

このバソプレッシンが、体内でプロリルエンドペプチターゼという酵素によって分解されます。

分解が必要以上にされてしまうと記憶に障害が現れたりと影響がでてしまいます。

この酵素の働きを阻害するぺプチドが、清酒や酒粕に含まれていることが分かりました。

これにより、酒粕がアルツハイマーの予防に効果があるのではないかと注目されているのです。

脳梗塞予防

私達の体内では、血液の固まりを溶かす「ウロキナーゼ」という酵素が分泌され、血液がスムーズに流れるよう調整されています。

しかし、これが上手くいかないと血管がつまり脳梗塞などをひきおこしてしまいます。

この他にも、血栓を溶かす物質として「プラスミノーゲン」というものが、体内には存在しています。

日本酒や酒粕の中には、体内で「ウロキナーゼの合成を促進させる酵素やプラスミノ ーゲンに働いて血栓を溶かす物質も含まれていること」が分かってきました。

これらの事から、酒粕が、脳梗塞の予防に役立つのではないかと期待されているのです。

骨粗しょう症予防

私達の骨は分解と合成を繰り返しています。

古くなった骨は血液中に溶け出し(骨吸収)、新たに骨になる細胞が作られます(骨形成)。

私達は年を重ねると骨の組織(骨コラーゲン)を壊すカテプシンLという物質を分泌するようになります。

その為に、骨形成より骨吸収の方が早くなり骨粗しょう症になります。

この「カテプシンLの動きを弱める物質が、酒麹と酒粕に含まれている」ことが発見されました。

このため「酒粕が骨粗しょう症の予防にも役立つ」のではないかと期待されています。

アレルギー体質改善

花粉症を代表するアレルギー疾患は、現代人が直面している問題のひとつですね。

花粉アレルギーアトピー性皮膚炎は、カテプシンBという酵素によって作られる免疫グロブリンが原因で引き起こされるアレルギーといわれています。

日本酒や麹の中に、このカテプシンBの働きを阻害する物質「ペプチド」が含まれている事が発見されました。

同じく「ペプチド」が含まれる酒粕は、日本酒よりも手軽で、アルコールがNGなお子さんやお年寄りにも取り入れることができるため、アレルギー体質の改善に役立つのではないかと、期待されています。

狭心症、心筋梗塞、動脈硬化予防

これらの疾患は、悪玉コレステロールが要因のひとつと考えられています。

酒粕にはレジスタントプロテイン(難消化デンプン)とよばれる「食物繊維のような働きをしてくれるたんぱく質」が含まれています。

レジスタントプロテイン(難消化デンプン)

レジスタントプロテインの特徴は、

  • 胃腸で消化されにくいこと
  • 余分な脂肪分をがっちりと捕まえて体外に排せつしてくれる働きがあること

です。

つまり、消化の効率を悪くすることで、悪玉コレステロールの上昇が抑えられるということなのです。

実は、レジスタントプロテインは白米にも含まれていますが、白米のままだと他の成分に囲まれていて、十分にその働きを生かすことができません。

しかし、麹菌の働きによりレジスタントプロテインの周りをかこっていた栄養素が分解されると体に吸収されやすくなるとともに働きも強くなります。

そのため「酒粕には悪玉コレステロールを減少させ、さまざまな疾患を予防してくれる効果」があるのではと期待されています。

今ではレジスタントプロテインは、食品の他にも医薬品などへも幅広く使われはじめています。

美白効果

酒粕に豊富に含まれている成分遊離リノール酸には、メラニン合成抑制作用があることが分かっています。

この働きによって、酒粕には美白効果があるのではと期待されているのです。

実は、お味噌にもこの成分が含まれています。

酒粕を入れたお味噌汁は、美肌への近道かもしれませんね。

α-EG

日本酒には必ず含まれている成分にα-EGというものがあります。

これは旨味のもととなる成分で、αエチルDグルコシドといいます。

酒粕にも豊富に含まれていて、皮膚真皮層のコラーゲンを増やす効果が認めれています。

α-EGは「熱で効果が変質しない特徴があるので、お料理に酒粕を使うことで、年齢とともに減少するコラーゲンを作り出すことができる」と考えられているのです。

昔から、酒造りに携わる人の手は白くつやがあるといわれるのは、これらの効能によるものかもしれませんね。

酒粕のおすすめレシピ

発酵食品である酒粕をお料理につかうと、コクが出て旨みが増します。

また、酵母菌のアルコールや乳酸菌の働きで他の菌を抑制し、保存性が増します。

甘酒

今や女性たちの間で人気の飲み物になっていますね。

酒粕は、アルコールが含まれているので、小さなお子さんやお酒の弱い方は、アルコールを飛ばして使いましょう。

78度以上の熱を加えればアルコールは飛ばすことができます。

また今は酒粕ではなく、米麹を原料とした甘酒も流行っています。

詳しくは

甘酒の効果効能がスゴイ!酒粕と米麹の違いや注目の栄養成分とおいしく簡単な作り方

をご覧ください。

粕汁や鍋

いつものお味噌汁に酒粕を加えることで、体を温めてくれる効果が高くなります。

寒い冬にもおすすめですが冷房などで身体が冷えてしまったり、大量の汗をかいて失ったミネラルを補うことができるため、夏バテ防止に最適な夏にこそ食べたいレシピです。

また、お鍋に酒粕を加えるとコクがでて具材の旨味もアップします。

酒粕ディップ

酒粕に塩、こしょう、オリーブオイルや、クリームチーズ、ピクルスやオニオン、ニンニク、アボガドなど、お好みの具材を加えてディップを作ります。

クラッカーやフランスパンなどに添えて、ホームパーティで、ちょっと差がつく一品になりますね。

ドレッシング

手作りドレッシングに酒粕、酒粕を加えるとひと味違ったドレッシングになります。

いつものサラダが、ワンランクアップしますよ。

お菓子

パウンドケーキやクッキーなどのお菓子に利用すると、ヘルシーな手作りお菓子がつくれます。

小さいお子さんが食べる場合は、酒粕のアルコール分を飛ばしてから使うとよいですね。

酒粕漬け

お肉、お魚、アボガド、お豆腐などをにつけておくと、旨味がまして美味しくいただけます。

酵母菌の働きで、食材の保存にも適しています。

ホワイトソース

小麦粉の代用として米粉と酒粕を使い、牛乳の代用として豆乳を組み合わせればローカロリーでヘルシーなホワイトソースを作ることができます。

これなら、小麦や乳製品アレルギーのお子さんも安心して食べることができますね。

意外に酒粕を使ったレシピのレパートリーは、幅広いです。

みなさんもレシピを検索して、どんどん挑戦してみてくださいね。

まとめ

いかがでしたか?
酒粕というネーミングから、余り物のようなイメージを持ってしまいがちですが、実は私達に嬉しい効能をもたらしてくれる宝物だったのですね。

山田錦や美山錦、五百万石など、お酒の原料とする「酒米」には、日本にも多くの品種がありますが、それによって酒粕の風味も変わってくるそうですよ。

売っている酒粕には、

  • 板粕」  絞ったままの酒粕を切り分けたもの
  • バラ粕」 板粕を粗めにふんさいしたもの
  • 練り粕」 酒粕に水や焼酎を加え、さらに数ヶ月間寝かしたもの

などがあります。

自分が取り入れ安いもので始めてみてはいかがでしょう。