最近はグラスフェッドバターの認知が高まっています。
以前は植物性の油のサラダ油と違い、動物性の油のバターは健康に悪いと言われていましたが、最近ではサラダ油よりも体に良いという評価に代わっています。
そんなバターの中でもグラスフェッドバターが注目されているのはなぜでしょうか?
普通のバターとの違いや注目の栄養成分と効果や効能を紹介します。
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グラスフェッドバターとは?普通のバターとの違いは何?
①エサの違い
グラスフェッドバターの
- グラスは草
- フェッドは与えられた
という意味があり、
つまりエサが牧草だけで育った牛(グラスフェッドビーフ)の乳から作られたバターのことを言います。
さらにグラスフェッドビーフは成長ホルモン剤や過剰な抗生物質の投与を行わないで育てているので、安全で栄養たっぷりのおいしいバターができるのです。
「えっ?牛のエサって牧草だけじゃないの?」と思う人も多いかもしれません。
ですが、日本の牛は一般的には海外から安い遺伝子組み換えのトウモロコシなどの穀物を与えて育てています。
また主に牧草で育てている牧場でも年中草が生えているわけではないので、やはり穀物のエサを与えています。
そのため普通のバターはグレインフェッドバターと呼ばれています。
- グレイン=穀物
- フェッド=与えらえた
つまり穀物を与えて育った牛(グラスフェッドビーフ)の乳から作られたバターのことです。
穀物のエサを与えるのは「草がない」という理由だけでなく、穀物のエサの方が早く牛が大きくなるためです。
ただ、そのエサの穀物が先ほども紹介したように遺伝子組み換え作物というだけでなく、農薬を大量に使用したり、輸出の際の殺虫剤・防かび剤などのポストハーベストの問題もあります。
これらを考慮すると無農薬の牧草を食べている牛からとれるグラスフェッドバターの方が安全です。
②育った環境が違う
またグラスフェッドビーフとグレインフェッドビーフでは育った環境が違います。
牧草だけで育つグラスフェッドビーフは広大な敷地の牧場でストレスが無い環境で育っているので、おいしい乳が出ます。
つまりおいしいバターが作れるわけです。
一方で主に穀物のエサで育つグレインフェッドビーフは特に日本では、牛舎に閉じ込めらる場合が多いです。
狭い牛舎ではストレスが溜まるので、牧草でゆったりとストレスなく育った牛と比べると牛乳の味も落ちてしまいます。
となるとバターにも味の差が出てしまいます。
栄養成分に違いは?
では牧草だけで育った牛と穀物を与えて育った牛とでは栄養成分に違いがあるのでしょうか?
エサのメインが穀物の牛の乳から作られたバターには動物性の油である飽和脂肪酸が多く含まれています。
飽和脂肪酸は体に吸収しやすくエネルギー源として使われる反面、体に蓄積しやすく太りやすい油と言えます
一方、牧草だけで育った牛(グレインフェッドビーフ)の乳にも飽和脂肪酸は多く含まれていますが、普通の牛の乳にはほどんど含まれていない不飽和脂肪酸(α‐リノレン酸など)も多く含まれています。
不飽和脂肪酸は植物性の油や魚の油に多く含まれていて、過剰に採った場合でもすぐにエネルギーとして使われやすいため、体に蓄積しにくく太りにくい油といえます。
グラスフェッドバターに不飽和脂肪酸が多いのは牛のエサである自然の牧草のみを食べていることと、広い牧草地でストレスがない環境で育っているからと言われています。
ではグラスフェッドバターにはどのような栄養成分が含まれているのでしょうか?
グラスフェッドバターの栄養成分と効果効能について
グラスフェッドバターの不飽和脂肪酸の種類は体内で作ることができない必須脂肪酸の一種のオメガ3脂肪酸です。
①α‐リノレン酸
オメガ3脂肪酸はαリノレン酸が主成分で体内で一部(15%程度)がDHAやEPAに変換します。
現代の日本人はオメガ3脂肪酸の摂取量が少ないので厚生労働省でも摂取基準を定めているほどで
①血圧を下げる
②血中の中世脂肪を減らす
③血栓ができるのを防ぐ
④アレルギーや炎症疾患を抑える
⑤記憶力・学習能力を高める
⑥ガンの発生・増殖を抑える
⑦精神を安定させる
⑧認知症を予防する
などの効果や効能が期待されています。
②共役リノール酸
共役リノール酸も不飽和脂肪酸の一種でリノール酸から作られますが、リノール酸とは構造が異なるために「異性化リノール酸」とも呼ばれています。
共役リノール酸は脂肪をエネルギーに変えるために働く酵素を活性化させる働きがあります。
そしてこの酵素は本来運動をすると活発になるもので共役リノール酸は運動をすることと同じような脂肪燃焼効果を持っているのです。
つまりダイエットに効果的ということです。
実際にグラスフェッドバターが有名になったのは
「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」という書籍です。
この本ではオーガニックコーヒーにグラスフェッドバターとMTCオイルを合わせた「バターコーヒー」(別名「完全無欠コーヒー」)を毎朝飲むことでダイエットができると紹介しています。
さらに体脂肪を燃焼させる働きだけでなく同時に筋肉を増加・増強させる効果もあります。
バター=油=太るというイメージですが、この共役リノール酸のおかげでダイエット効果が期待できるわけです。
これは運動選手にとってとてもありがたいことですが、ボディビルダーやアスリートたちがサプリメントで共役リノール酸を摂取しているほど効果が期待されています。
これらの効果以外にも共益リノール酸は
- 動脈硬化の予防
- 冷えの改善
- アレルギーの抑制
- 乳がん・皮膚がん・胃がん・肺がん
などの予防期待されています。
➂短鎖脂肪酸の一種「酪酸」
酪酸も飽和脂肪酸ですが、中鎖脂肪酸ではなく短鎖脂肪酸の一種です。
国立循環器病研究センターの研究グループがまだネズミの実験ではありますが、「酪酸が脂肪の分解を促進する」と国際的なオンライン科学誌プロスワン誌に報告しています。
そしてネズミだけでなく人にも脂肪燃焼の効果があると言われていますが、この研究では効果があるのは「質の良いバターに限る」とも言っています。
質の良いバターとは、「グラスフェッドバター」のことです。
④脂溶性成分のビタミン類とカロテノイド
脂溶性ビタミンとは油に溶けやすく熱に強い性質を持ち、ビタミンA、D、E、Kの4種類がありますがグラスフェッドバターには4種類全て豊富に含まれています。
カロテノイドとは動植物などに存在する色素成分で、約600種類が見つかっていますがバターに含まれるカロテノイドは黄色の素となるカロテンです。(αカロテンやβカロテンなどがあります)
またカロテンの一部は必要に応じて体内でビタミンAに変換されます。(これをプロビタミンAと言います)
このカロテンは青草に含まれているので牧草をたくさん食べた牛のミルク、つまりグラスフェッドバターは色素が黄色いカロテンが多く含まれているため、黄色っぽく見えます。
普通のバターとグラスフェッドバターを見比べると、明らかにグラスフェッドバターの黄色の方が濃いですが、これはカロテンがたくさん含まれてるからということです。
ビタミンAは「目のビタミン」
- 眼精疲労や視力の回復
- 皮膚や粘膜を正常に保つ
- 強い抗酸化力(=アンチエイジングやガン予防)
ビタミンEは「若返りのビタミン」
- 強い抗酸化力
ビタミンAと一緒に摂ることで抗酸化力がアップして
美肌・美髪効果が高まる - 血液サラサラ
毛細血管を広げて血行を促す作用がある
ビタミンD
- ●歯や骨を強くする
骨の材料となるカルシウムやリンの吸収をよくして
骨に沈着させる作用
などの効果が期待できます。
このようにα‐リノレン酸や共役リノール酸、酪酸、カロテノイドやビタミン類もグラスフェッドで育った牛やミルクに多く含まれていることから、バターもやはりグラスフェッドバターの方が普通のバターよりおすすめとぃうわけです。
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ダイエット効果抜群!バターコーヒーの作り方
アメリカのセレブ達の間で人気なのがバターコーヒーダイエットです。
先ほど紹介した「シリコンバレー式 自分を変える最強の食事」という書籍が販売されてからは、日本でも実践する人が増えています。
多くの人がこのダイエット方で成功していてエクササイズをせずに75日で約40kgの減量に成功した人もいて話題になりました。
このバターコーヒーはダイエット効果以外にも
- 1日のはじまりがエネルギッシュになる
- 頭がさえる
- 抗酸化作用(アンチエイジング)
などの効果も期待されています。
ただこのバターコーヒーはコーヒーに普通のバターを入れただけではダメで、コーヒーはオーガニック、バターは無塩のグラスフェッドバター
ではないと効果が期待できません。
オーガニックコーヒー1杯にグラスフェッドバター15g(スプーン1杯)を入れるだけで良いですが、お好みでココナッツオイル(スプーン1杯)やMTCオイルを入れる人も多いです。
バターコーヒーを飲むタイミングは朝食の代わりに2杯分のバターコーヒーを飲むとより効果が出ると推奨されています。
まとめ
良い環境で良いエサを食べているならばバタ―の質に違いが出るのは当然ですね。
まだまだ価格が高いですが、数年前は全く手に入れることができなかったことを考えると現在はかなり良い状況になったと思います。
グラスフェッドバターはバターコーヒーの材料として使用するのがおすすめですが、肉を焼いたり、炒めものをする際にサラダ油の代わりに使うと、健康的ですし、とてもおいしく食べられますのでぜひお試しください。
最近はサラダ油よりもバターの方が健康的と言われていますが、そのバターの最上級がグラスフェッドバターです。
またグラスフェッドビーフも注目されています。
良質なエサを食べているグラスフェッドビーフは最高級の肉として人気が出ています。
日本中を健康に導く「牧草牛」の名付け親、ドクター斎藤が厳選した【グラスフェッドビーフ】
グラスフェッドビーフは危険性の高いと言われているホルモン剤などを一切使用していません。
ぜひ健康だけでなく、美容にも良いグレインフェッドビーフやグラスフェッドバターをお試しください。
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