えごま油はテレビ番組などで紹介されてからとても人気が出ましたね。

一時は店頭だけでなく、ネットでも品切れになったこともありました。

それだけ多くの効果や効能が期待できるからなのですが最近では粗悪な商品も出てきていて内容量と値段だけで決めてはいけません。

今回はえごま油の

  • 注目の栄養成分α‐リノレン酸やその他の成分について
  • 1日の摂取量
  • 加熱は本当にダメなのか?
  • 食べ方
  • 選び方

など詳しく紹介します。

えごま油とは?その特徴について

えごま油と聞いてごま油と関連があると思っている方もいるかもしれません。

ですが実はシソ科のエゴマという植物のから抽出される油なので、ごま油とは関係がありません。

写真で見てもシソに似ていますね。

えごまの葉は韓国ではキムチなどにして食べるポピュラーな食材です。

えごま油は何系のオイル?

食用油には含まれる脂肪酸の種類と割合によって何系のオイルか決まります。

えごま油は不飽和脂肪酸のオメガ3系脂肪酸が多く含まれているため、

  • 亜麻仁油
  • グリーンナッツオイル(サチャインチオイル)
  • チアシードオイル

などと同じオメガ3系オイルです。

現代人はサラダ油に多く含まれるオメガ6系オイルのリノール酸を過剰摂取している傾向が強いです。

一方でオメガ3系脂肪酸は逆に不足ぎみの人が多いのが現状です。

えごま油に含まれる脂肪酸の種類と割合

脂肪酸の種類 割合
α-リノレン酸  60%
オレイン酸  14.4%
リノール酸  14.3%
その他  11.3%

えごま油にはオメガ3系脂肪酸の一種のαリノレン酸が多く含まれています。

このα‐リノレン酸の一部(10~15%程度)は同じオメガ3系脂肪酸の一種で青魚などに多く含まれる

  • EPA(エイコサペンタエン酸)
  • DHA(ドコサヘキサエン酸)

に変換されます。

EPAは血液を固まりにくくし血管をしなやかに、DHAは赤血球や細胞膜や血管壁を柔らかくします。

これらの働きにより血液がサラサラになる期待されている成分です。

そして脳の血流も良くしたり、弱った脳の神経細胞を刺激して認知症の予防や記憶力もアップすると言われています。

昔流行った曲で「おさかな天国」という曲があって「さかなを食べると頭が良くなる」という歌詞がありましたが、それはDHAの働きのことを指しています。

そして厚生労働省でも実際にα‐リノレン酸やDHA・EPAであるオメガ3脂肪酸を摂取するように推奨しています。

えごま油に期待される効果や効能

α‐リノレン酸及びDHA・EPA

αリノレン酸やDHA・EPAの効果・効能
  • 認知症の予防
  • 記憶学習能力の向上(子供の脳の発育に効果)
  • 血流改善、血栓予防効果
  • アレルギー抑制(花粉症、アトピー性皮膚炎など)
  • 老化予防(アンチエイジング)
  • うつの軽減
  • 中性脂肪・血中コレステロールの軽減
  • 高血圧の予防
  • 糖尿病の予防
  • 動脈硬化・不整脈の予防
  • 脳卒中の予防
  • ガンの予防(特に乳がん、肺がん、大腸がんに有効)
  • 視力アップ
  •  脂肪肝の予防
  • ダイエット効果
  •  美容・美肌効果

ざっと挙げただけでも本当に色々と効果がありますね。

αリノレン酸はどの年代にも必要な成分で

  • 子供には脳の発育や記憶学習能力の向上
  • 大人の女性には老化予防(アンチエイジング)、美容・ダイエット
  • 大人の男性やお年寄りには生活習慣病の予防や認知症の予防

幅広い年齢層に毎日摂取してもらいたい成分です。

このαリノレン酸はサラダ油などの植物油にも含まれていますが、その含有率は脂質の数%以下です。

一方良質なえごま油には脂質の約60%も含まれているので高い効果が期待されています。

そして注目されているのはαリノレン酸だけではありません。

ロズマリン酸

ロズマリン酸はポリフェノールの一種です。

ローズマリーやシソ科の植物に多く含まれる成分で強力な抗酸化作用があり肌を保護するロズマリン酸が含まれている化粧品もあります。

またこのロズマリン酸が含まれるシソからの抽出物にはアレルギーを抑える効果があると言われていて花粉症対策に有効と期待されています。

ルテオリン

ルテオリンポリフェノールの一種で抗酸化力が強く、アレルギー抑制や抗炎症作用が期待されています。

抗炎症作用は脳の炎症を抑える成分としてルテオリンが以前、テレビ番組の「世界一受けたい授業」でも紹介されていました。

脳が炎症を起こすと認知症になる可能性が高くなるのですが炎症を抑えることで脳を健康に保ってくれるので認知症の予防にもなります。

以前別のテレビ番組でもえごま油を毎日2か月ほど摂るようになった人が

今年の花粉症はいつもの年よりも、かなり楽です。」と言ってました。

もちろん効果には個人差がありますし、その年の花粉の量にもよると思いますが、α‐リノレン酸にもアレルギー症状を抑える働きがあるのでロズマリン酸ルテオリンとの相乗効果も期待できます。

その他の成分ではビタミンEが含まれていますが、食用油の中では特に多いというわけではありません。

ですが、ビタミンEには抗酸化作用があり、血液をサラサラ(血流改善)にする効果もあります。

α‐リノレン酸にも血流改善の効果があるので、ビタミンEとの相乗効果も期待されています。

このようにえごま油にはα‐リノレン酸や抗酸化成分のロズマリン酸やルテオリン、ビタミンEが含まれれいて、多くの効果や効能が期待されていますが、薬ではないので即効性はありません。

継続して摂取する必要があります。

また、えごま油の人気が高まったことで商品の数も増えましたが、商品によってはα‐リノレン酸はふくまれていても、ポリフェノールは含まれていない商品もあるので選び方に注意が必要です。

えごま油の正しい選び方

多くの効果や効能が期待できるえごま油ですが、この人気に便乗して品質の低い商品も出回っているようです。

国民生活センターの調査によると

見た目だけでは分からない、えごま油の品質

20 銘柄中 1 銘柄で脂肪酸組成が一般的なえごま油とは大きく異なるものがありました。

α-リノレン酸の割合が低く、リノール酸の割合が高いものがありました。

20品中1品だけではありますが、通常脂肪酸の60%を占めるα‐リノレン酸が33.6%と低い値で、逆にリノール酸が36.1%と通常の倍以上の量が含まれていました。

このように値段だけで決めると質の悪いえごま油を選ぶ可能性もあります。

まず、ちゃんと遮光されている瓶に入っているか、原産国がきっちり書いているかなど確認してから買うようにしましょう。

そして一番大事なのは製造方法です。

原材料の栄養成分を損ないようにするには、「低温圧搾製法」または「コールドプレス製法」と書いてある商品を選ぶようにしましょう。

また、「精製オイル」か「未精製オイル」かのチェックも必要です。

未精製」のオイルの不純物、香り、匂いを取り除いたものが「精製」です。

加熱したり、化学処理を加えて、この不純物を取り除いたオイルを「精製オイル」といいます。

精製オイルの代表といえば「サラダ油」です。

サラダ油のように原材料から効率的に油を抽出するために危険性の高い化学溶剤を使用し、製造時間を短縮するために高温処理された油ではトランス脂肪酸の発生だけでなく、栄養成分を損なってしまいます。

最近ではサラダ油と同じような製法で販売されている質の低いえごま油も販売されているようです。

品質の低いえごま油でも脂質のα‐リノレン酸はある程度残っていますが、ロズマリン酸ルテオリンに関しては全く含まれていません。

溶剤を使用せず、低温圧搾製法で油を抽出し、加熱処理などをしない未精製オイルは効率よく油を抽出できず、製造時間もかなりかかってしまうので、どうしても価格が高くなってしまいますが、これが本物の油です。

低温圧搾製法コールドプレス製法の食用油は商品のパッケージに必ず記載されているので、チェックしてから購入しましょう。

そして未精製かどうかはパッケージに記載されていない場合もあります。

中には低温圧搾製法で精製オイルの商品もあります。

この場合はα‐リノレン酸は十分に含まれていますが、他の栄養成分はほとんど含まれていません。

ただ、その分価格は安くなります。

えごま油の1日の摂取量

えごま油やアマニ油などに含まれているオメガ3系脂肪酸の摂取量は厚生労働省が定めています。

厚生労働省が定めるオメガ3系脂肪酸の摂取基準

年齢 目安量 目安量
男性 女性
50~69歳 2.4g以上 1.6g以上
4-1 2.2g以上 1.6g以上
5-12 2.1g以上 2.0g以上
6-12 2.0g以上 1.9g以上

ではえごま油をどれくらい摂ると摂取基準に達するかというと

1日の摂取量は小さじ1杯(約4.6g)で十分α‐リノレン酸を摂ることができます。

ではこれだけ健康に良い油ならば2杯、3杯と食べて良いのでしょうか?

実際に厚生労働省の研究資料があります。

それによると日本人の高齢者を対象した研究ではαリノレン酸の1日の摂取量を10か月間4.8g約大さじ2杯分)摂取したところ、

  • LDL(悪玉)コレステロール、酸化LDLの増加が認められない
  • 主要な血液検査での異常も認められていない

という結果が出ています。

この結果だけですと大さじ2杯でも問題ないことがわかります。

ですが欧米ではα‒リノレン酸摂取量の 増加が「前立腺がんのリスク」になることを示す研究報告があります。

ただ前立腺がんのリスクが高くなるという研究がある一方で、関連しない(リスクがない)とする研究もあります。

一方で最近のα‒リノレン酸摂取量と前立腺がんの罹患リスクを調べた観察研究では

  • リスクとなる報告が95
  • リスクとならない報告が97

ほぼ同じくらいの数なので、これではどちらが正しいのかわかりませんね。

厚生労働省ではα-リノレン酸の上限は定めていません。

前立腺がんは男性のみかかる病気なので、もし小さじ2杯以上摂りたいという男性は万が一ではありますが、リスクがあることを知って食べる必要があります。

女性は前立腺がんに関係ないのでαリノレン酸のことだけを考えれば2杯以上飲んでも構いません。

ただ何倍も飲むとカロリーがオーバーしてしまいます。

食用油はどれも同じカロリーです。

体に悪いサラダ油も健康に良いえごま油もカロリーがほぼ同じなので摂り過ぎは注意が必要です。

油の小さじ1杯は37キロカロリーで、えごま油も同じカロリーです。

健康や美容、ダイエットに良いからとα-リノレン酸を摂るために、カロリーオーバーにはならないようにしましょう。

また、多くの日本人はサラダ油などに多く含まれているオメガ6系リノール酸を摂りすぎる傾向にあります。

えごま油も脂質の約15%はリノール酸です。

それを考えると、小さじ2杯、3杯と食べるのはリノール酸の過剰摂取につながる可能性もあります。

毎日食事に気を付けていて、運動も定期的にやっているような健康な人以外は最初は小さじ1杯にしましょう。

注意点とおすすめの食べ方!加熱調理は可能か?

えごま油の取り扱いの注意点はオメガ3系オイルは他の食用油と比べて酸化しやすいという点です。

未開封の時は直射日光を避けて暗くて涼しい場所に保管し、開封後は冷蔵庫で保管する必要があります。

また開封後は賞味期限にかかわらず6週間程度で使い切るようにしてください。

賞味期限はあくまで未開封状態の場合です

えごま油は熱に弱いのは本当?

えごま油に限らず、亜麻仁油などのオメガ3系オイル熱に弱いα‐リノレン酸が豊富に含まれているから、加熱料理には向いていないと一般的に言われています。

ですが、揚げ物はダメだとしても、さっと肉や野菜を炒めるだけでもダメなのか不思議でした。

すると「日本栄養・食糧学会誌」でエゴマ (シソ) 油の加熱安定性と食品成分添加の影響という研究結果が報告されていました。

それによると、

抗酸化剤無添加の精製エゴマ油を180℃で10時間加熱し, 経時的に油のAV, POV, CV, p-An. V, Toc量と脂肪酸量の変化を調べた。

1) 180℃, 70分までの短時間加熱では, ダイズ油に比べてエゴマ油の劣化は若干進んでいたが, α-リノレン酸の残存率も90%以上であり, 栄養的にも食品衛生上も支障があるほどではなかった。

という結果が出ています。

180℃, 70分までの短時間加熱では若干α‐リノレン酸の量が減ったものの、ほとんど問題ないとうことがわかりました。

一般な焼き始め温度は、

  • 卵焼きやホットケーキが150~160℃
  • ハンバーグやギョウザは170~180℃
  • 炒め物は200℃くらい

と言われています。

これならえごま油は加熱して良いんだ~」と思ったのですが、これは精製されたえごま油です。

では未精製のえごま油ではどうなのかと調べたのですが、同じオメガ3系オイルの亜麻仁油未精製の加熱実験の報告書を見つけました。

昭和女子大学大学院生活機構研究科による「食用亜麻仁油の加熱調理における劣化の程度及び嗜好評価」によると、

未精製の亜麻仁油

  • 190℃の加熱したフライパンでもやしを炒めた
  • 加熱後3分間で210℃
  • 加熱後3~9分間で210~270℃まで上昇

という条件で試した結果

  • 6分間の加熱では安全な範囲
  • 3分間の加熱は大豆油との劣化度の差はない
  • 3分及び4.5分の加熱では味が良く、総合的に好ましい

と報告しています。

つまり6分以内であれば安全に食べられるということです。

この実験ではα‐リノレン酸の量の増減については調べていませんが、油が劣化してないのであれば、α‐リノレン酸が大幅に減るとは考えにくいです。

「えごま油=加熱量に向かない」というイメージでしたが、短時間であれば問題ないということがわかりました。

もちろん温めた食べ物や熱い飲み物に入れる分には全く心配いりません。

今までえごま油亜麻仁油などは加熱できないと思っていた人も多いと思いますが、炒め物程度であれば問題ありません。

えごま油は酸化しやすいので、なるべく早く消費する必要があります。

生のままでとなると、酸化する前に消化しきれない場合もあると思いますので、その場合は加熱料理に使用しましょう。

えごま油の味やニオイはクセがある?

えごま油が無味無臭であれば、そのままスプーンですくって飲んだり、サラダにかけたりして食べるのがおすすめなのですが、亜麻仁油と同様に結構味やニオイにクセがあります。

苦手な味かどうかは個人差があるので、大丈夫な人はそのままでも問題ないのですが、多少苦手な味やニオイというのであれば、味が濃い食べ物にまぜて食べるのがおすすめです。

  • ピザやパスタにかける
  • 炒めの物にかける
  • みそ汁やスープに混ぜる
  • アイスクリームにかける

などがおすすめです。

「アイスに油をかけるの?」と思うかもしれませんが、あまり気になりません。

テレビ番組でもアイスクリームにかけて食べているという人もいましたので、ぜひ味やニオイが苦手な人は試してみてください。

私も実際に試してみましたが、おいしくアイスクリームを食べられました。

そのままでも問題ない人は納豆にかけたり、卵かけごはんに混ぜてもおいしく食べられます。

味が苦手だと、いくら健康によくても長続きしないので、ぜひ自分がおいしいと思う食べ方を見つけてください。

まとめ

えごま油がかなりの効果があることがおわかりいただけましたか?

ただ最近は人気に便乗して質の悪い商品も出回っているようなので注意してください。

そしてα‐リノレン酸だけ摂取できれば良いという人は安いえごま油で十分に摂取できます。

※ただしトランス脂肪酸が含まれている可能性はあります

ですが食用油本来の製造方法で抽出したえごま油は低温圧搾(コールドプレス)製法で未精製のものです。

この場合はα‐リノレン酸だけでなく、ポリフェノールやビタミンEなどの他の栄養成分も含まれているので健康に良いです。

健康のためにえごま油を購入する人がほとんどだと思いますので、できれば良質のえごま油を選ぶようにしましょう。

そして「えごま油=加熱料理に不向き」というイメージが強いですが、短時間であれば加熱しても問題ありません。

酸化しやすい油なので、開封後6週間を超えるようであれば加熱料理にも使ってみてください。